こんばんは。ブロガーNです。
今回は、アーサーCクラークの名作「地球幼年期の終わり」から、宇宙旅行の話です。
宇宙船に乗って遠い星へ旅をして、数か月後に地球へ戻ってきたら、その間に地球では何十年も過ぎていた・・
SFには時々出てくるこの現象「そんなこと本当にありえるの?」と思いませんか?
実はこれは、単なるSFの空想ではありません。
現代物理学の基礎である「相対性理論」が予測する、本物の科学なのです。

物語では、地球に現れた高度な文明を持つ異星人の宇宙船に、大学生のジャン・ロドリクスが密かに乗り込みます。
宇宙船の目的地は、りゅうこつ座方向にある約40光年離れた異星人の故郷。
驚くべきことに、その宇宙船は光の速さの99%という超高速で飛行します。
ジャンの感覚では、この旅はわずか6か月ほど。
ところが地球へ戻ってみると、なんと80年以上もの歳月が流れていました。
数か月の宇宙旅行なのに、地球では何十年も経過している。
まるで未来へタイムスリップしたような出来事です。
この現象の考え方を説明したのが、アルベルト・アインシュタイン の特殊相対性理論です。
相対性理論によると、
速く動くものほど時間の進み方が遅くなる
という性質があります。
たとえば、光速の90%で飛ぶ宇宙船の中では、時間は地球の約44%の速さでしか進みません。
宇宙飛行士にとって1年しか経っていなくても、地球では2年以上経っていることになります。
さらに不思議なのは、時間は「重力」によっても変化することです。
重力が強い場所ほど時間はゆっくり進みます。
その代表例がブラックホールです。
ブラックホールの近くでは時空が大きくゆがみ、時間の流れが地球とは大きく異なります。
映画『インターステラー』では、ブラックホール近くの惑星で数時間過ごしただけで、宇宙船では何十年も経ってしまうシーンが登場します。これは映画の演出ではなく、相対性理論に基づいた科学的な設定なのです。
では、人類は本当にそんな宇宙旅行ができるのでしょうか?
現在、人類最速クラスの探査機でも光速にはほど遠い速度しか出せません。
たとえば、太陽系の外へ向かって飛び続けている ボイジャー1号 の速度は秒速約17km。
これは光速のわずか0.006%ほどです。
もし40〜50光年先の恒星まで向かうとしたら、到着まで100万年近くかかってしまいます。
つまり、相対性理論そのものは正しいと確認されているものの、それを利用できるほど高速な宇宙船を作る技術はまだ存在していません。

しかし、未来はどうでしょうか。もし人類が光速に近い速度で飛べる宇宙船を開発したら、遠い恒星への旅が現実になるかもしれません。
そのとき宇宙飛行士は、何十年、何百年、あるいは何万年先の未来へ「片道の時間旅行」をすることになります。
帰還したとき、人類はどんな姿になっているのでしょうか。今のままとは到底思えません。
AIと融合した存在になっているかもしれません。別の惑星へ広がった文明になっているかもしれません。あるいは、人類という種そのものが進化しているかもしれません。
「地球幼年期の終わり」では、80年後にジャンが宇宙旅行から戻ると、世界中の子供達が意識共同体となって宇宙へ旅立つところでした。そしてジャンは、たった一人残った人間として、地球の最後を見届ける事になります。
SFは単なる空想ではありません。
「もし未来の技術が実現したら?」を考えることで、私たちに科学の可能性を見せてくれるのです。
この小説は、そんな壮大な未来を想像させてくれる名作のひとつです。
宇宙旅行が未来へのタイムマシンになる日が来るのか。
そう考えると、夜空の星が少し違って見えてきませんか。
おわりに
りゅうこつ座のアルファ星カノープスは、シリウスに次いで2番目に明るい恒星ですが、日本では南天の低い位置に見えます。カノープスまでの距離は約310光年です。
実際にはりゅうこつ座には太陽から約40光年の距離に恒星はないのですが、近いのは53光年のHD 65907 (りゅうこつ座の三重星系)です。
物語のようにいつか人類がそこへ行くことを想像するだけで、なんだかワクワクしますね。
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