星を継ぐものの楽しみ方4

こんばんは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。

今回は、ホーガンの代表作「星を継ぐもの」から、月の裏側の話です。

NASA/Goddard Space Flight Center/Arizona State University

小説では、月の表側のクレーターが約40億年前のものに対して、裏側のクレーターは約5万年前の比較的新しいものである事がわかります。しかも、月の裏側の約300メートルの新しい堆積物の下には、同時期に核爆弾で起きた痕跡が発見されるのです。5万年前に月で核戦争が起きたのか、物語はさまざまな謎を解き明かしながら進みます。

実際に、月では過去に火山活動があった事がわかっています。

月の火山は、これまで約35億年前には活動を止めて冷え切ったと考えられていました。しかし、最近になって中国の研究チームが、嫦娥(じょうが)5号で回収した月面の土壌サンプルから、約20億3000万年前に噴出したと考えられる火山岩を見つけています。

それは、月の裏側にあるコンプトンクレーターとベルコビッチクレーターの間にある「コンプトン・ベルコビッチ地域」です。

この場所の地下には最大直径が約50キロメートルの巨大な物体があることが分かりました。この巨大な物質は花崗岩であり、岩石中に含まれる放射性元素の崩壊に伴う熱によって高い温度になっていると言う研究結果が報告されています。

NASAの月探査機ルナー・リコネサンス・オービターで撮影されたコンプトン-ベルコヴィッチ。見た目に白っぽいことは、白っぽい岩石である花崗岩が存在すると推定する上で1つの根拠となる(Credit: NASA)

ただし、月になぜ巨大な花崗岩が存在しているのか、その謎は解明されていません。月には地球のような水やプレートの動きが無いので、マグマが生成されて火山活動が起きるとは考えにくいのです。

その謎を解く鍵が、コンプトン・ベルコビッチ地域にあるのかも知れないので、まだまだ研究が続けられています。

「星を継ぐもの」の物語の方は、月の裏側で起きた過去の核戦争は誰が何のために起こしたのか、そしてそれは現在の人類とどうつながっているのか、ワクワクする展開が続いて行きます。

そして、最後に驚くべき過去が解明されます。この小説が出版されて40年以上が経ちますが、この壮大な謎解きは、今でも読者をSFの世界に引き込む素晴らしい魅力があります。

おわりに

2007年にかぐやが撮影した画像を元にして月の裏側の地図が公開されています。この時の探査結果に基づき、月と地球の起源にさかのぼる研究が続けられています。

地球や月が出来た頃の痕跡は、地球にはには残っていないのですが、月を調べる事によって、約40億年前の地球の状況を推定したり、月がどのようにして出来たのかを知る手掛かりになるそうです。

参考リンク

月の表と裏の違いをもたらした超巨大衝突を裏付ける痕跡を発見

月の裏側の地下に大量のグラナイト

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