宇宙のランデブーの楽しみ方4

こんばんは、ブロガーNです。

なんとなく気持ちがモヤモヤして、短時間で気分転換したいなと思うこと、ありませんか?

そんな時は、ぜひこのブログに立ち寄ってみてください。  

宇宙の不思議な世界や、知らなかった知識にふれることで、気分がリフレッシュできるかもしれません。そして、SF小説を読んだ後にまた訪れてもらえたら、さらに楽しい時間になるはずです。

さて、今回はアーサー・C・クラークの名作『宇宙のランデブー』に登場する、人工重力のお話です。

物語の舞台は、太陽系の外から突然現れた巨大な宇宙船「ラーマ」

直径20キロメートルにもなるこの円筒形の船は、自ら回転しながら進んでいました。

その自転周期は、なんとたったの4分です!

調査任務を受けたエンデバー号のノートン中佐たちは、ラーマの平らな部分の表面に着陸し、内部へと進入します。彼らは備え付けの梯子や階段を使い、内側に向かって降りていきました。

回転の中心から500メートル離れた地点では、地球の重力のたった3%ほどしか感じられません。しかしさらに降りて、円筒の内側の湾曲した部分まで来ると、地球重力の60%くらいにまで増えていたのです。

現実の宇宙でも、人工重力を作るには「回転」が有力な方法です

宇宙船や宇宙ステーションを回転させることで、遠心力を使って地上に近い重力感覚を生み出す。この方法は「回転式人工重力」や「遠心力型人工重力」と呼ばれています。

例えば、半径100メートルの宇宙船なら、毎分3回転することで、地球と同じくらいの重力を再現できるとされています。

ラーマの場合、半径10キロメートル、そして自転周期4分(240秒)なので、作り出される人工重力は地球の約70%(正確には約69.8%)になります。

この重力aは次の式で計算できます。

 a = ω²r

ここで、  

– ω:角速度(ラジアン毎秒)  – r:回転半径(メートル)  – a:加速度(m/s²)

計算してみると、  

– 半径 r = 10,000メートル  – 自転周期 T = 240秒  – 角速度 ω = 2π/T ≈ 0.02618ラジアン毎秒

よって、人工重力は a = ω² × r ≈ 6.85m/s²  

地球の重力 g = 9.81m/s²なので、割合にして約70%というわけです。

なお、小説中ではラーマ内部の幅が16kmと書かれているため、半径を8kmとして計算すると、地球重力の約56%。大まかに「0.6G(ジー)」と表現されています。

人工重力には「コリオリ力」という問題も

ラーマの中で、長い階段を降りていく宇宙飛行士たちは、不思議な現象に遭遇します。  

それは、降りている途中で体が右に引っ張られるように動いてしまうというもの。

これはコリオリ力の影響です。

現実に、回転している宇宙船内では、頭を動かすと変な方向に引っ張られる感覚がしたり、水を注ぐと真っ直ぐ落ちずに曲がる、あるいは、普通の動作がどこかズレたように感じると言う事が起きます。

このコリオリ効果をどう抑えるかが、人工重力の設計で大きな課題になります。

ちなみに、私たちの地球でもコリオリ力は働いています。  

地球の自転によって、北半球では進行方向に右向き、南半球では左向きに力がかかり、台風の渦の向きや海流にも影響を与えているのです。

おわりに

国際宇宙ステーション(ISS)では、完全な無重力ではなく、「微小重力」の状態にあります。  つまり、地球の重力はほぼ感じないものの、完全にゼロではない「自由落下」状態にあるのです。

この環境では、普段私たちが頼りにしている上下感覚や、加速度を感じ取る基準が失われてしまいます。そのため、宇宙飛行士が宇宙で急に頭を動かしたりすると、 視界がぐにゃっと歪むとか、 回っているような感覚が続く、あるいは、方向感覚を失うといった宇宙酔い(Space Motion Sickness)を引き起こすことがあります。  

実際に、飛行士の70%以上がこの宇宙酔いを経験しているそうです。

以上、今回は『宇宙のランデブー』を題材に、人工重力と宇宙での身体感覚のお話を紹介しました。  次回も、宇宙の不思議を一緒に探検していきましょう!

参考リンク

京大と鹿島、人工重力施設の研究開始 月や火星居住想定

大気大循環とは?大循環のモデルから気候までわかりやすく解説

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