百億の昼と千億の夜の楽しみ方4

こんばんは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。

今回は、光瀬龍の代表作「百億の昼と千億の夜」から、宇宙の最後の話です。

小説では、阿修羅王が「この世界は真の破滅に向かっていて、それは、すべてのエネルギーが熱エネルギーに変化し、それが宇宙空間に拡散して、完全に平衡状態に達して熱的死がやってくる」と悉達多太子に言います。

この宇宙の熱的死とはどのようなものでしょうか。

もし宇宙が膨張を続けてエネルギーが徐々に薄れ、冷えていく場合、最終的には熱の移動が停止する状態になります。

熱の移動は、物体や空間の温度の違いによって行われます。しかし、宇宙全体のあらゆる場所が同じくらいの温度になると、熱が自然には移動しなくなります。

この状態では、物質は分解し、星は消え、ブラックホールも最終的には蒸発してしまうでしょう。最終的には、宇宙全体が均一で、温度が一定の状態になることが予測されています。

この熱の移動が停止する状態になると、物理的なプロセスや反応が起こることができなくなり、宇宙全体が静止した状態になります。これが宇宙の熱死理論です。

一方で、宇宙がこのまま膨張し続けるとは限らないと言う理論もあります。この理論では、いつか宇宙は膨張が減速し、最終的には収縮に転じると予測されます。

その後宇宙は縮み続け、最終的にはビッグクランチと呼ばれる状態に至ると考えられます。ビッグクランチでは、宇宙全体が一つの点に収縮し、再びビッグバンのような状態になるとされています。

どちらのモデルが正しいかは現在でも議論が続いています。宇宙の膨張を理解するためには、宇宙全体の質量、エネルギー、ダークエネルギーなどに関するさらなる研究が必要になるそうです。

宇宙が膨張している証拠として用いられるのは、遠くにある宇宙ほど急速に遠ざかっているため、光の波長が伸び赤く見えると言う観測結果です。2023年に米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)から得られた新しいデータにより​​、この観測結果がさらに精度良く裏付けられました。

しかし一方で「宇宙は平坦で静的である」との考え方もあります。これは、陽子や電子などの粒子の質量が時間の経過に伴って変化しているのであって、宇宙の膨張によって銀河がわれわれから遠ざかっているのではないと言う説です。

物語では、56億7千万年後に弥勒が現れて人類を救済すると言う予言が繰り返し語られます。しかし、3905年にシッダータが見た惑星連合の首都トーキョーは千年前に崩壊し廃墟になっていました。それはある時、急速に太陽が弱まって地球上の気温がマイナス68℃になってしまった事が原因でした。

おわりに

実際には、太陽には約100億年の寿命があると考えられています。太陽系が生まれたのは46億年前なので、太陽はあと50億年程度は輝き続け、最後は赤色巨星になって最後を迎える事になります。

また、この宇宙の年齢は、138億年と言われていますが、宇宙ではまだまだ新しい星が生まれていますので、そう簡単には宇宙全体の恒星や銀河が全て熱エネルギーになって拡散してしまう事はなさそうですね。

参考リンク

『宇宙の5つの時代』に書かれた宇宙の運命と熱的な死

宇宙が膨張する速さ、新観測で深まる謎 理論に誤りか

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