こんばんは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。
今回は、ホーガンの代表作「星を継ぐもの」から、ガニメデの話です。
木星の第三惑星ガニメデは、太陽系で最も大きな衛星であり、直径は地球の月の約1.5倍、内部に液体の水が存在する可能性があると言われています。
小説では、2028年に第4次木星派遣隊がガニメデに到着し、その氷原の下に眠っていた巨大な宇宙船を発見します。しかもその宇宙船には2500万年前に地球上にいた生物の標本を積んでいました。つまりこの宇宙船は、2500万年前の地球に立ち寄った後に、ガニメデで遭難していたのです。このストーリー展開はSFらしくて、読者を引き込むスケールの大きな物語です。
ガニメデは、ガリレオ・ガリレイが1610年に発見した衛星として有名であり、他にエウロパ、イオ、カリストも同時に発見されました。
ガニメデには、地球と同じ地磁気が存在する事がわかっています。同じ衛星でも月には地磁気が無く、ガニメデには地磁気があるのは、内部構造に違いがあるためと考えられています。
地磁気は惑星内部のダイナモ効果によって生成され、惑星が自転することや物質が対流することによって維持されます。
地球の場合、地球核の外側部分である外核が主に鉄とニッケルから構成され、これが非常に高温で液体の状態を保っています。この液体金属が地球内部で対流することにより、電流が生成され、磁場を生み出します。
一方で、ガニメデは木星の衛星ですが、内部に岩石と氷が混在しています。特に液体の水が存在し、これがダイナモ効果を生み出す要因となり得ます。液体の水が岩石質の部分と相互作用して、対流が起き、それによって地磁気が発生していると考えられています。
地球の月とガニメデの違いは、内部構造とダイナモ効果を生成する材料にあります。地球の月は主に岩石質で構成され、内部に液体がないためダイナモ効果が生じません。したがって、地球の月には地磁気がほとんど存在しないのです。
物語では、ガニメデで発見した宇宙船の中には人類とは明らかに異なる骨格を持つ巨人の白骨が見つかりました。そしてその宇宙船は、人類の科学技術をはるかに超える驚異的な方法で宇宙空間を航行していた事がわかります。それは宇宙船が周囲の空間を歪めて、そこに落下し続けることで推力を得ていました。これによって宇宙船自体は重力の影響を受ける事なくどんな速度でも空間を移動できた事がわかるのです。
おわりに
木星の衛星を探査するJUICEプロジェクトは、2023年に打ち上げに成功し、2031年に木星系に到着、2034年に衛星ガニメデの周回軌道への投入が予定されています。
このプロジェクトは、ESA(欧州宇宙機関)が主導する大型木星氷衛星探査計画であり、欧州各国をはじめ、日本や米国も参加しています。この探査機を搭載したアリアン5ロケットは、2023年4月14日にクールー宇宙基地(フランス領ギアナ)から打ち上げられ、スイングバイをしながら、木星に向かっています。
参考リンク
JUICE 探査(リンク)
小惑星帯(リンク)
購入リンク
コメント