夏への扉の楽しみ方4

こんにちは。ブロガーNです。

気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。

今回は、ハインラインの名作「夏への扉」から、重力制御の話です。

夏への扉の主人公ダニエルがコールドスリープから目覚めた西暦2001年には、重力制御の方法が発見されていました。重い物体をある高さまで持ち上げて、それにわずかな力を加えるだけで、都市間の物体移動が可能になっていたのです。

もちろん現実には、2024年現在でも重力を制御する方法は見つかっていません。

アインシュタインの一般相対性理論によれば、重力は時空の歪みとして理解されています。質量やエネルギーが時空を歪め、その歪みが重力として感じられるという考え方です。この理論に基づいて、重力を制御するためには時空そのものを操作する必要があります。

では、時空とは何でしょうか?

まず、時間と空間はそれぞれ独立した概念です。時間は物事がいつ起こるかを示し、空間は物事がどこにあるかを示します。日常生活では、これらは別々に扱われます。

通常、私たちは空間を長さ、幅、高さの3次元として認識し、それとは別に1次元の時間を認識しています。アインシュタインの理論では、空間と時間を統合して4次元の「時空」として扱います。すなわち、宇宙は4次元の「時空」として構成されていると考えられるのです。

一般相対性理論によれば、重力は質量やエネルギーによって時空が歪むことから生じます。大きな質量を持つ物体(例えば、地球や太陽)は周囲の時空を歪めます。これにより、他の物体がその歪んだ時空を「感じて」重力として引き寄せられます。

一方、重力を量子レベルで説明する統一理論(例えば、ループ量子重力理論や弦理論)は確立されていませんが、もしこれらの理論が進展すれば、新たな重力制御の方法が見つかる可能性があると言われています。

このループ量子重力理論は、一般相対性理論と量子力学を統合しようとする理論です。

ループ量子重力理論では、空間そのものが連続的ではなく、極小のスケール(プランク長さ:約1.6 × 10^-35メートル)で離散的な構造を持つと仮定します。つまり、空間が無限に分割できるのではなく、「量子」という最小単位に分割されるということです。

もし、重力が量子レベルでどのように機能するかを理解することができれば、重力を微細なスケールで制御する方法が見つかる可能性があります。時空が量子化されている場合、その基本単位を操作する技術を開発する事により、時空の構造を直接変更して、重力場を変えることができるかもしれません。

小説では、場の理論の専門家であるトウィッチェル博士が、重力制御法の研究の副産物として、偶然、タイムマシンを発明します。そこに主人公のダニエルが訪れて、物語は最終段階に進みます。

人類が時空をコントロールするためには、現在の物理学の限界を超える新しい理論と技術の発展が必要です。おそらく、数百年以上の時間がかかるでしょう。しかし、それが現実になった時には、人類は全く新たな局面を迎える事になると思います。

おわりに

ループ量子重力理論は、重力の量子レベルでの振る舞いを理解しようとする理論です。この理論が発展すれば、重力を微細なスケールで制御するための新しい知見や技術が得られる可能性があります。

具体的には、時空の量子構造を操作することで、重力場を変化させたり、新しい推進技術を開発したりすることが考えられます。ただし、これはまだ理論段階の話であり、実現には多くの課題が残されています。

参考リンク

アインシュタインの重力理論と量子力学の統一を目指す新理論――時空は量子的ではなく古典的

ループ量子重力理論のほのかな香りを楽しむ

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