宇宙のランデブーの楽しみ方3

こんばんは、ブロガーNです。
みなさん、気分がモヤモヤしているとき、短い時間でリフレッシュしたくなること、ありませんか?

そんなときは、このブログをちょっと読んでみてください。
宇宙の広がりをイメージしたり、「そんな世界があるの?」というような知識に触れたりすることで、気分がふっと軽くなるかもしれません。そしてもし、SF小説を読んだあとにまたここに戻ってきたら、その物語の世界がもっと楽しく、もっと奥深く感じられると思いますよ。

今回のテーマ:水星とその金属資源の未来

今日ご紹介するのは、SF作家アーサー・C・クラークの名作『宇宙のランデブー』に登場する「水星」の話です。

Subtle colors appear on Mercury’s surface in this mosaic image created by filters within MESSENGER;s wide-angle camera (WAC).
NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie

水星ってどんな惑星?

水星は太陽に一番近い、小さな惑星です。半径は地球の約4割ほどで、太陽の周りをわずか88日で一周するという、最も公転周期の短い惑星でもあります。

しかし、小さいながらも水星には驚くべき特徴があります。それは、直径の約80%を占める巨大な「金属の核(コア)」の存在です。地球や金星、火星などの核の割合は40〜50%ほどなので、水星の内部構造はかなり異例です。この金属の核には主に鉄が多く含まれていると考えられており、将来的な資源として注目されています。

また、水星にはほとんど大気がないため、昼と夜の温度差が極端です。昼間は赤道付近で最高430℃にも達し、鉛が溶けてしまうほど。一方で、夜間はマイナス180℃以下まで冷え込みます。このような厳しい環境のため、地球のような生命が存在するのは難しいとされています。

さらに、水星から見る太陽は、地球から見るよりもずっと大きく、約2.6倍にもなります。太陽の強烈な光と熱がふりそそぎ、そのエネルギー量は地球の約6.7倍にもなります。

このように、水星は小さくても個性的で、科学者たちの興味を強く引きつけている惑星なのです。

小説の中の水星

『宇宙のランデブー』の舞台は、今から約100年後の22世紀前半。
人類はすでに太陽系のさまざまな惑星や衛星に進出しており、水星にも人が住んでいます。

物語の中では、地球や他の惑星との連携組織「惑星連合」の一員として、水星も重要な役割を果たします。なんと、謎の宇宙船ラーマに対して強硬な主張を行い、ミサイルを発射してしまうのです。

それほどまでに影響力を持つ背景には、水星の豊富な金属資源があります。
この時代では、水星から採掘された金属が地球などに輸出され、資源不足の問題を解決しているのです。

現実の水星探査は?

これまでに水星に到達した探査機は、たったの2機しかありません。

  • マリナー10号(1975年):人類初の水星フライバイ。
  • メッセンジャー(2011年):水星の軌道に入り、詳細な観測を実施。

そして現在、3回目の挑戦として進行中なのが 「ベピコロンボ計画」 です。
このプロジェクトは、日本のJAXAとヨーロッパのESA(欧州宇宙機関)が協力して行っているもの。

ベピコロンボは2つの探査機で構成されていて、2018年にフランス領ギアナから打ち上げられました。

  • ESAの探査機:水星の地表を観測。
  • JAXAの探査機「みお(MMO)」:水星の磁場を調査。

「みお」は、2026年11月に水星の軌道へ到着予定です。

水星は、地球型惑星の中で地球と同じように「固有の磁場」を持つ、唯一の星です。
今回の探査によって、太陽に近い環境での磁場のふるまいや、地球のような惑星がどうやって生まれたのかというヒントが得られるかもしれません。

An artist’s impression of the ESA-JAXA BepiColombo spacecraft.
ESA/ATG medialab

おわりに:名前の由来「ベピコロンボ」

この探査機の名前「ベピコロンボ」は、イタリアの天体力学者ジュゼッペ・“ベピ”・コロンボ博士にちなんで名付けられました。

彼は、1975年のマリナー10号の水星探査の際に、スイングバイ航法(惑星の重力を利用して加速する方法)を提案し、水星の自転と公転の不思議な関係を発見した人物です。
その偉大な功績を称えて、この新しいプロジェクトにも彼の名前が冠されたのです。

次回も、SFと科学が交差する話題をお届けします。お楽しみに!

参考リンク

水星磁気圏探査機「みお」(JAXA)

水星の特徴

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