銀河帝国の興亡の楽しみ方4


こんにちは。ブロガーNです。
SF小説を読んでみたいけど、なかなかきっかけがつかめないと思う人は多いと思います。

そこで、このブログではSFを読む事で拡がるテクノロジーの世界について解説していきます。
このブログを事前に読むだけで、きっとSF小説を読む楽しさが倍増しますよ。

今回は、アシモフの名作「銀河帝国の興亡」から、ミュータントを取り上げます。



この物語には人の心を操る事のできるミュータント「ミュール」が登場します。

このハリ・セルダンも予見できなかったミュータントの出現によって、銀河帝国再構築のプランが崩壊する可能性が出てきます。その時、第二ファウンデーションのメンバーが科学的に訓練された影響力で人の心を操る事により、危機を回避します。

総じて、人の心を支配する力はSF小説において、キャラクターの深化や真実の探求、予測不可能な展開、対立と緊張感など、さまざまな面で魅力的な要素を提供する役割を果たします。ミュールのように、人の気持ちや行動を支配する力が描かれることで、SF小説は面白さを増すのですが、もし現実に起きると怖いですね。

アシモフがこの小説を書いた1940年代後半には、明確にAIと言うことばはありませんでしたが、小説の中で第二ファウンデーションが使った人の能力を超える科学技術は、未来のAIをイメージしていたと思います。人の心(=脳)に入り込み、どの部分をどう変えれば、本人が気がつかない間にこちらの意のままに操れるかをAIが判断して実行する。このままAIが進化すると、このような世界が訪れる可能性は十分にあると思います。

現実にAIは急激に進化していて、このような古典的なSF小説の中でAIと思われるものが登場するシーンを、最新のAI技術と比べてみると面白いです。そして今後のAIの導入や発展に対して我々がどのように動くべきかを考えるきっかけにもなると思います。

夜空に浮かぶ銀河


今後さらにAIが能力を高めて人々の間に浸透していくと、人間社会は大きな変化に直面すると思います。さすがに他人の心(=脳)に入り込んで脳細胞を変えてしまう技術はすぐには実現しないと思われますが、人の表情や声や話の内容から相手の感情や考えを分析して予測し、瞬時にその人を操るためにどうすれば良いかを教えてくれるAIであれば、そう遠くない未来に実現しそうな気がします。

このようにして操られた人は、自分が操られたとは気付かず、自らの判断で動いていると信じるでしょう。今でも、人の判断は、さまざまな知識や経験に基づいていますし、マスコミやSNSの情報から受ける影響も大きいのではないでしょうか。そこに、AIによって人の気持ちを直接操る方法が登場する事によって、自分の判断が歪められる危険が高まるのです。

何が正しくて、何が間違いなのか、人間社会はその根源的な部分について、改めて問い直される時代が近づいています。

おわりに
初めて「人工知能(AI)」という言葉を現在のように「人間の脳に近い機能を持ったコンピュータープログラム」と定義したのは、アメリカの計算機学者ジョン・マッカーシーで、1956年でした。

今後AIの進化によって人間同士がより深く理解し合い、成長していく社会になれば良いと思います。

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