こんばんは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。そして、SF小説を読んだ後にもう一度ここに来れば、さらに幸せな気分になれますよ。
今回は、小松左京の名作「果しなき流れの果に」から、電子脳の話です。
電子脳同士の会話
この小説の中で、保安省秘密調査部のムッシュMが電磁誘導型の宇宙エレベータで地上の研究所から定点衛星へ向かいます。そこで見た複数の人工衛星が電子脳(AI)そのものであり、研究所の200年分の全てのデータを読んだ上で、電子脳同士がディスカッションしていました。
複数の電子脳はまったく同じデータを読み込んだにも関わらず、徐々に個性を持ち始めます。この電子脳の個性を育てる事によって、短期間に想定以上の進歩が起きて、思いがけない結論を導くのです。そして、その結論は物語の核心を突く事実でした。
この小説が描かれた1966年には、インターネットもAIも存在しませんでしたが、小松左京氏は、大規模なコンピューターに大量のデータを読ませる事によって、AIが個性を持ちAI同士の会話から新たな知恵が生まれると言うストーリーを描いたのです。
生成AIに個性を持たせる
最近では、生成AIの登場によって、実際にAI同士で会話させて新しいアイデアを生み出す取り組みが始まっています。近い将来、この小説に描かれているように、個性を持つAIを育てて活用する時代になると考えられています。
今後、人間の能力を遥かに超えるAIが、どんな答えを出してくれるのか楽しみですね。例えば、ロボットが意識を持つための仕組みとか、気候変動に効果的な手段とか、これまで人類には解明出来なかった謎が解き明かされるのかも知れません。そしてAIの進化によって、人類がもっと大規模に宇宙に出て行くための新しいテクノロジー、例えば、光速に近い速度で移動する方法や地球外生命と接触できる通信技術などの発明も期待したいです。
このような新しいテクノロジーが普通になると、人類はいよいよSF小説の世界の領域に突入すると思います。それまでの常識が覆されて、宇宙で生活し、稼ぎ、探検し、遊び、戦い、そしていよいよ、人類が他の星へ移住して広がって行く時代の始まりとなるのでしょう。
宇宙エレベーター
一方、1960年には、旧ソ連のユーリ・アルツターノフが、静止軌道上から地上に向けてケーブルを伸ばすというアイデアを考案しました。これが宇宙エレベーターのきっかけになったそうです。つまりこの小説が書かれた5年前くらいにはアイデアがあったと言う事ですね。
小説の中では、スマトラ島の山の上から宇宙エレベーターがリニアモーターの原理を使い、高度3万6000kmの衛星に約40分で到着します。これは23世紀の超科学研究所の施設へ向かう時に使うのですが、その頃ようやく宇宙エレベータが普及し始めたと言う設定になっています。つまり、小松左京氏はこれが300年後の世界で実用化される技術と考えたのでしょう。
しかし、日本の大手総合建設会社である大林組が、2012年に「宇宙エレベーター建設構想」を発表して注目を集めました。この構想では、2050年には運用開始を目指しているそうです。この構想が実現するかどうかはまだ確定していませんが、SF小説の設定より200年も早く登場するかもしれないのです。
おわりに
この小説の中では、26世紀の日本人の子孫が団結して、冥王星の第2衛星ケルベルスから、アルファケンタウリへの恒星間移民船に乗り込むシーンが描かれています。
しかも、21世紀に日本列島が海に沈んだと言う設定でした。さすが小松左京先生です。
参考リンク
複数のAIが話し合ってアプリを作るフレームワーク 米Microsoftなどの研究者らが開発
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