こんにちは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。
今回は、ハインラインの名作「月は無慈悲な夜の女王」から、地球に岩石を投げる話です。
岩石を月から地球に投げるには
「月は無慈悲な夜の女王」では、月世界の人々が地球へ向けて岩石を発射します。月世界は核兵器を持っていませんが、その代わり豊富な岩石と射出機を使って地球を攻撃します。
月の引力からの脱出速度は約1.68 km/s(キロメートル毎秒)です。これは地球の引力からの脱出速度(約11.2 km/s)よりも低いため、月から岩石を打ち出すのは比較的容易です。
そして、月から脱出した物体が、地球の引力に引っ張られるのは、月と地球の間で引力が均衡する(重力が釣り合う)ラグランジュ点と呼ばれる特定の位置で起こります。これは月の地球側、月から地球方向におおよそ38,000キロメートル離れています。物体がこの点を越えると、地球の引力が支配的になります。
月と地球の平均的な距離は約384,400キロメートルなので、その10分の1の距離まで打ち上げれば、月から打ち出された岩石は地球に向かって落ちて行く事になります。
この小説では、月面に100キロメートルもの長さの射出機を作り、100トンの岩を加速して地球にぶつけます。最初に北米の12ヶ所を狙いますが、100トンの岩が地球にぶつかると、小型の核爆発と同じエネルギーを発生させるので、地球は大変な騒ぎになります。
実際、100トンの岩と言っても、5メートル四方くらいの大きさしかないのですが、秒速11キロメートルで衝突すると、かなり大きな爆発になるのです。
小惑星の衝突
月からの岩石ではありませんが、さまざまな小惑星が、現実に地球に接近したり、隕石として衝突しています。
6600年前にメキシコに落下した隕石によって恐竜が絶滅したとの説が有力です。この時の隕石は直径10Km以上あったと言われています。
これほど大きくなくても、1908年にロシア上空で爆発したツングースカ隕石は、直径50mから80m程度だったと考えられていますが、それでも東京都と同じくらいの面積の樹木がなぎ倒されました。これは5メガトン級の核爆発に相当する威力だそうです。
2023年1月27日には、地球近傍小惑星「2023BU」が南米南端の上空を通過しました。この小惑星の大きさは直径3mから8mで、地表からの距離は約3540キロ、専門家は観測史上最大級の接近だったと指摘しています。この小惑星の通過地点までの距離は気象衛星の軌道3万6000kmより遥かに近く、スターリンク衛星の軌道550kmよりは離れています。
また、2023年2月27日に初めて観測された小惑星「2023 DW」の直径は約50メートルで、ツングースカ隕石と同じくらいの大きさです。この小惑星は、2046年2月14日に地球に最接近し、地球に衝突する確率は約625分の1と推定されています。
おわりに
1998年の映画「アルマゲドン」で地球に向かって来た小惑星は、テキサス州と同じ大きさと言う設定でした。テキサス州の面積は日本の2倍近いので、さすがにこの大きさの小惑星が衝突すると地球は終わりですね。
人類は、生き残りをかけてこのような事態に対応していく必要があります。すでに科学者は、地球に向かって来る小惑星の軌道を変える様々な方法を考えて、実行に移しています。
参考リンク
小惑星に探査機を衝突させる実験「DART」が示した、今後の“地球防衛”の可能性
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