銀河帝国の興亡の楽しみ方2

こんにちはブロガーNです。
SF小説を読んでみたいけど、なかなかきっかけがつかめないと感じている人は多いと思います。
そこで、このブログでは宇宙に関わるSFを中心に、読む前に知っておくと楽しさが倍増する知識を紹介します。できるだけネタバレしないように書いていますので、軽く読み流していただければと思います。
今回は、アシモフの名作「銀河帝国の興亡」から、未来都市を取り上げます。

未来都市のイメージ

銀河帝国の興亡1の冒頭で、帝国の中心都市「トランター」の情景が描写されます。トランターは数百世代にわたって変わる事なく帝国の中心都市であり続け、陸地面積のほぼ全域がひとつの都市となった結果、人口は400億人となり、そのほとんどが帝国傘下の2500万の惑星の行政管理に携わっています。地面は見えず、均質な灰色の金属がどこまでも広がっていて、人間は全てこの金属の下で活動しています。唯一、上空に浮かんでいるのはレジャー用の乗り物だけと言う状況です。

トランターのような未来の宇宙都市のイメージは、読者をSFの世界に引き込みます。そこで描かれる多くの未来都市は以下のような要素を含んでいます。

先進的な科学技術
未来都市では、現在の技術よりもはるかに進歩した科学技術が存在します。そしてこれらの先進的な技術は、読者に未来の可能性や驚きを与え、現実世界とのギャップを感じさせます。

巨大な建築物と革新的なデザイン
未来都市では、現在よりはるかに大きな高層ビルや建築物が普通に存在します。これらの建物は、大胆で洗練されたデザインを持ち、空にそびえ立つ姿は圧倒的な迫力を与えます。読者はその壮大なスケールや未来的な美しさに魅了され、想像力をかき立てられます。

光り輝く都市景観
未来都市では、光り輝くネオンサインや先進的な照明が街を彩ります。夜になると、都市全体が幻想的な光で満たされ、息を飲むような美しさが生まれます。この光景は現実の都市とは異なる魅力を持ち、読者に未来の活気と魅力を伝えます。

このように、未来都市のイメージは読者に没入感や興奮を与えてくれます。未来の都市が現在と大きく異なる可能性や進歩の姿を鮮やかに描き出すことで、読者は想像力を刺激され、物語の世界に一層引き込まれるのです。

実は、スターウォーズに登場する惑星コルサントも同じく都市で覆われた惑星として描かれています。空高くそびえるビル群、空中路線を切れ目なく流れるスピーダー、遥か下方の地表まで延びる内部層など、銀河帝国の興亡におけるトランターと同じような構造を持ち、やはり帝国の政治的な中心都市の位置付けです。

世界人口は80億人を突破
2022年11月15日、国連は世界人口が80億人を超えたと発表しました。今後も人口は増加傾向にあり、2037年には90億人、2080年代には104億人でピークを迎えると予想されています。このペースが続けば、地球の人口もトランターのように人口が400億人を超える日が来るのでしょうか。

ところが、2100年を境に世界の人口は減少に転じると予測されています。理由は、出生率の低下です。なぜ出生率が低下するのでしょうか?この問題は人類の未来に深刻な影を落としていて、さまざまな警鐘が鳴らされ、対策も打たれつつあります。しかし、もしこのまま出生率が上がらなければ、人類は滅亡する運命にあると考えられています。

銀河帝国の興亡の最初に、ハリ・セルダン博士は500年後に92.5%の確率で銀河帝国が滅亡する事を予見しました。この物語の中でセルダンは、銀河帝国を1000年以内に復活させるプランを実行に移します。一方、米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のクリストファー・マリー教授は、「出生率低下の解決策が見つからない場合、数世紀先に人類は消滅する」と述べています。これはSFの世界の話ではなく、現実に起きている事なのです。

気候変動とならんで、出生率低下の問題は人類全体が協力して取り組むべき課題です。人類がこれらの課題を解決して、いつの日か銀河系全体に文明を広げていく事を期待したいものです。

おわりに

銀河帝国の興亡3部作が完成した1953年ごろ、世界の人口は30億人程度でした。それから70年後の今日、世界人口は80億人に達しました。ここまで順調に増えてきた人口が、数世紀先には消滅の危機に瀕している事を予見できている事はむしろ素晴らしいと思います。ハリ・セルダンのように科学的な根拠に基づき、人類を危機から救ってくれる人が現れる事を願っています。

参考リンク

世界の出生率、驚異的な低下 23カ国で今世紀末までに人口半減=米大学予測

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