果しなき流れの果にの楽しみ方4

こんばんは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。そして、SF小説を読んだ後にもう一度ここに来れば、さらに幸せな気分になれますよ。

今回は、小松左京の名作「果しなき流れの果に」から、多元宇宙構造の話です。

The tranquil spiral galaxy UGC 12295 basks leisurely in this image from the NASA/ESA Hubble Space Telescope. This galaxy lies around 192 million light-years away in the constellation Pisces. It has two bright spiral arms that extend from a bar, which shines from the very centre. Additional fainter arms branch off from these, studded with bright blue patches of star formation. Small, distant galaxies are dotted around it, on a dark background.

多元宇宙

この小説では、追うものと追われるものが、いくつもの宇宙と時間を股にかけて動き回ります。その途中で主人公の野々村は、紀元前100年の日本列島に逃げ込みます。その頃の日本は弥生時代中期であり、ようやく稲作が始まった頃です。

そこでなぜか彼は、エネルギー恒存則の成立理由を必死で考えていました。そして、追う側のマツラも、敵を完全に葬るにはエネルギー恒存則の呪縛を解き放たねばならない事を理解し始めていました。

現在、多元宇宙論(宇宙は一つではなく、たくさん存在すると言う仮説)は実証が難しく、科学者の議論が続いています。宇宙はある時点である場所(特異点)から始まったとされていますが、その始まりがどのようにして起きたのかを考える時に、この宇宙だけでなく、たくさんの宇宙が作り出される可能性があると言う仮説が作られました。

別の宇宙が存在するかどうか、それを証明するために、さまざまな取り組みが行われています。その中には、宇宙背景放射線や銀河の分布などの宇宙観測データを分析し、異なる宇宙が相互に影響を与えている可能性を検証すると言う方法があります。

宇宙間の相互作用

異なる宇宙が存在すると仮定すると、これらの宇宙は相互に影響を及ぼす可能性があり、この相互作用が宇宙背景放射や、銀河の分布のパターンに対して観測可能な影響を与えている可能性があるのです。

宇宙背景放射線の微小な温度ゆらぎを観測することで、初期宇宙の種子となった大規模構造の形成に関する情報を得ることができます。これにより、宇宙の進化や構造の形成に関する理解が深まります。

また、天文学者は数多くの銀河を観測してその位置や分布を調査します。これにより、銀河がどのように集まり、どのようなパターンを形成しているかを把握することができます。

時間と空間の外側

小説の中では、野々村の意識を取り込んだアイザック(マツラ)は、多元宇宙の構造を理解しようともがきます。
そして、時間と空間の外側から全体を見渡した時に、多元宇宙全体を含んだ時間が曲面として無限遠で閉じていると言う姿を見る事になります。

最後に、宇宙全体には何らかの意思が働いていて、敵を元素やエネルギーのレベルまで分解しても、また復活してしまう。なので、エネルギー恒存則を打ち破りこの宇宙自体を消してしまうしか敵を滅ぼす方法がない事がわかるのです。

NASA, ESA, CSA, STScI, T. Temim (Princeton University)

おわりに

宇宙の構造を調べるために、2023年7月、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙望遠鏡「ユークリッド(Euclid)」が、スペースX社のファルコン9ロケットによって打ち上げられました。
ユークリッドは、100億光年という遠い距離にある宇宙の銀河をいくつも観測することで、宇宙の三次元地図を作成することが目的だそうです。
これによって、宇宙の大規模構造に関する詳細な情報が得られて、宇宙の進化や構造形成に関する理論が実証されれば、多元宇宙の存在がはっきりするのかも知れません。

参考リンク

ホーキング博士、最後のセオリー:彼が多元的宇宙について考えていたこと

我々と別の宇宙は本当にある 物理学の最新理論

ユークリッド宇宙望遠鏡 銀河の精密な3Dマップを作り宇宙の「暗黒」の解明を目指す

購入リンク


コメント

タイトルとURLをコピーしました