こんばんは。ブロガーNです。
もしこの宇宙の外側に、
「まったく別の宇宙」が無数に存在しているとしたら?
そして、その宇宙どうしが、ほんの少しだけ影響し合っているとしたら…?
今回は、小松左京の名作「果しなき流れの果に」から、多元宇宙構造の話です。

多元宇宙
この物語では、追う者と追われる者が、時間も宇宙も飛び越えて逃走と追跡を繰り広げます。
主人公・野々村は、紀元前100年の日本へ。弥生時代、稲作が始まったばかりの世界です。
そこで彼が考えていたのは、
「なぜエネルギーは消えないのか?」(エネルギー保存則)でした。
一方、追う側も気づきます。
「敵を完全に消すには、この宇宙のルールそのものを壊すしかない」と・・
物語はやがて、宇宙の構造へと踏み込んでいきます。
ここで出てくるのが「多元宇宙(マルチバース)」という考え方です。
今の宇宙は「1つだけ」と考えるのが普通ですが、実はこんな仮説があります。
「宇宙は1つではなく、無数に存在しているかもしれない」
これは、宇宙の始まり(ビッグバン)を考えたときに出てきたアイデアです。
- 宇宙は「特異点」と呼ばれる一点から始まった
- そのとき1つだけでなく複数の宇宙が生まれた可能性がある
というわけです。
しかし多元宇宙論は実証が難しく、現在も科学者の議論が続いています。
別の宇宙が存在するかどうか、それを証明するために、さまざまな取り組みが行われているのです。
宇宙間の相互作用
異なる宇宙が存在すると仮定すると、これらの宇宙は相互に影響を及ぼす可能性があり、この相互作用が宇宙背景放射や、銀河の分布のパターンに対して観測可能な影響を与えている可能性があります。
宇宙背景放射線の微小な温度ゆらぎを観測することで、初期宇宙の種子となった大規模構造の形成に関する情報を得ることができます。これにより、宇宙の進化や構造の形成に関する理解が深まるのです。
時間と空間の外側
小説の中で野々村の意識を取り込んだアイザック(マツラ)は、多元宇宙の構造を理解しようともがきます。
そして、時間と空間の外側から全体を見渡した時に、多元宇宙全体を含んだ時間が曲面として無限遠で閉じていると言う姿を見る事になります。
宇宙全体には何らかの意思が働いていて、敵を元素やエネルギーのレベルまで分解しても、また復活してしまう。なので、エネルギー恒存則を打ち破りこの宇宙自体を消してしまうしか敵を滅ぼす方法がない事がわかるのです。

現実には、多元宇宙は「まだ証明されていない」仮説です。
理由はシンプルで、
- 他の宇宙は直接観測できない
- 光も情報も届かない可能性が高い
つまり「あるかもしれないけど、見えない」という状態です。
SFでは自由に行き来できますが、現実ではまだ「仮説の段階」なのです。
おわりに
それでも、科学は少しずつ近づいています。
たとえば、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙望遠鏡「ユークリッド」は、
- 100億光年先の銀河まで観測
- 宇宙の“3D地図”を作る
という壮大なプロジェクトを進めています。
これによって、宇宙の構造の「違和感」、説明できないゆがみが見つかれば、
「別の宇宙がある証拠」につながるかもしれません。
そしてもし本当に多元宇宙が存在するとしたら・・
・私たちとは違う歴史を歩んだ宇宙
・まったく違う物理法則の宇宙
・“もう一人の自分”がいる宇宙
そんな世界が、どこかにあるかもしれません。
SFが描いた「想像」は、もしかすると未来の科学の入口なのかもしれませんね。
参考リンク
ホーキング博士、最後のセオリー:彼が多元的宇宙について考えていたこと
ユークリッド宇宙望遠鏡 銀河の精密な3Dマップを作り宇宙の「暗黒」の解明を目指す
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