果しなき流れの果にの楽しみ方3

こんにちは。ブロガーNです。
気持ちがモヤモヤした時、短時間で気分を変えたいと思いませんか?
そんな時にこのブログを読めば、宇宙のイメージと知らなかった知識が気分転換のきっかけになります。そして、SF小説を読んだ後にもう一度ここに来れば、さらに幸せな気分になれますよ。

今回は、小松左京の名作「果しなき流れの果に」から、太陽の活動の話です。

A mid-level solar flare that peaked at 8:13 p.m. EDT on Oct. 1, 2015, captured by NASA’s Solar Dynamics Observatory. Credits: NASA/SDO

太陽の異常な活動

この小説は、多元宇宙(マルチバース)をベースとしてストーリーが進みますが、多元宇宙のひとつでは、太陽の異常な活動によって21世紀半ばに地球の全人類90億人のほとんどが死滅してしまいます。人類の一部は、火星の裏側に避難して難を逃れようとしますが、そこに宇宙船が現れて、一部の人々を連れ去るのです。

他の次元の宇宙では地球は無事なのですが、この宇宙の太陽は6000万年周期で地球などの惑星に大きな影響を与えて、恐竜などが絶滅しました。さらに周期的な活動量の変化とは別に、急に活動が活発化して、それが周期的な変化と重なる事で、人類にとっての大惨事となります。

現実に、我々の太陽の活動も周期的に変化しますが、恐竜の絶滅は6600万年前に直径10キロの隕石の衝突が原因との説が有力ですね。

太陽活動レベルの周期的な変動

太陽の活動レベルの変化は、太陽表面の「黒点」と関係が深いことがわかっています。「黒点」は、太陽の表面で周りより温度が低く、強い磁場に満たされた場所です。黒点の数は11年の周期で増減を繰り返します。黒点の数が増えてピークになったときを太陽活動極大期と呼びますが、このとき、太陽フレアや大きな磁気嵐が起きやすくなります。

また、宇宙には、太陽より活動レベルがずっと大きく変化する星があります。このように周期的に明るさが変化する星を「脈動変光星」と言います。

脈動変光星は、恒星の表面が周期的に膨張・収縮を繰り返すことで明るさが変化する変光星です。恒星が大きく膨らんだ巨星や超巨星へと進化すると、外層の密度が小さくなり、恒星自身が不安定となって膨張収縮を繰り返しはじめる事がわかっています。

例えば、くじら座のミラ(写真)は、非常に有名な脈動変光星の1つで、2.0等と10.1等の間を約332日の周期で変光します。他にも、はくちょう座のデネブは、1.21等-1.29等の範囲を変光します。このような脈動変光星は、これまでに2万個以上も見つかっています。

The red giant in R Aqr is a Mira variable and undergoes steady changes in brightness by a factor of 250 as it pulsates, unlike its white dwarf companion that does not pulsate.(NASA)

小説の中で科学者は、太陽活動の不規則な変動の原因が、太陽系全体が通過して行く宇宙空間の性質が原因かもしれないと考えましたが、実際には物語の後半で明らかになる宇宙の意思が関与していました。この太陽の異常な活動は、宇宙の規模からみると、ほんの短い時間、ほんの少し強い光を発しただけですが、惑星に住む生物にとっては致命的でした。

おわりに

我々の太陽は約100億年の寿命があるそうです。 太陽系が生まれたのは46億年前ですから、太陽はあと50億年は今と同じように輝き続けることができます。

今後、太陽の活動が大きくなり過ぎたり、巨大な隕石の衝突で地球上の生物が死滅する事態になる前に、人類が他の惑星に移住できるレベルに進歩する事を期待したいです。

参考リンク

ミラ(脈動変光星)Wikipedia

宇宙は一つではない? 多元宇宙に2つの仮説

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