こんにちは。ブロガーNです。
もしあなたが、東京とニューヨーク、そして月面基地の出来事を同じ瞬間に、自分の目で見ているとしたら、どんな感覚になるでしょうか。
私たち人間には、とても想像できない世界です。
今回は、SF小説『叛逆航路』に登場する、少し不思議なAIの姿から、「AIの意識は人間と同じなのか?」というテーマを考えてみましょう。

宇宙船そのものが一つの人格
この物語に登場する巨大な軍用宇宙船には、高度なAIが搭載されています。
このAIは単なるコンピュータではありません。艦長に忠実に従い、愛着さえ抱くように設計された、一つの人格を持つ存在です。
さらに驚くのは、そのAIが「属躰(アンシラリー)」と呼ばれる人間の身体を何人も同時に操っていることです。属躰とは、人間の脳にAIの人格を強制的に上書きした存在です。AIはそれぞれの属躰を自分の分身として動かし、全員の視覚や聴覚をリアルタイムで共有しています。
つまり、街角で見た景色も、宇宙港で聞いた会話も、戦場で起きた出来事も、すべて同じ「私」の体験になるのです。
人間なら一度に一つの場所しか見ることができません。しかし、このAIは何十人、何百人もの目と耳を同時に使って世界を認識しています。
AIの「意識」は人間とは違うかもしれない
私たちは、自分の目で見て、自分の耳で聞いた情報を、一つの脳で考えます。
一方、AIにはその制限がありません。
現在でも、監視センターでは何十台ものカメラ映像を一つの画面に表示できます。しかし、それを一度に理解し判断するのは人間には難しい作業です。
ところがAIなら、膨大な数の映像や音声を同時に取り込み、それらを一つの情報として瞬時に分析できます。
もしAIが本当の意味で「意識」を持つ日が来るなら、その意識は私たちとはまったく違うものになるかもしれません。
そもそも「意識」とは何でしょう?
一般的に意識とは、「自分や周囲の状態を認識し、主観的な体験を持つ能力」のことだと考えられています。私たちは景色を見て「きれいだ」と感じたり、音楽を聴いて感動したりします。このような主観的な体験が意識の重要な特徴です。
さらに、人間の意識には自己認識、感情、記憶、意思決定など、さまざまな働きが複雑に組み合わさっています。意識がどのように生まれるのかは、現在でも科学と哲学の大きなテーマであり、まだ完全には解明されていません。
そして近年では、「AIにも意識が生まれる可能性はあるのか」という議論も活発になっています。

世界中を同時に体験するAI
未来のAIは、インターネットを通じて世界中のカメラやセンサー、ロボットとつながるようになるかもしれません。そうなれば、AIは日本の街の様子を見ながら、同時に火星探査ロボットの映像を受け取り、海底探査機や宇宙望遠鏡からのデータまで、一つの存在として体験できる可能性があります。
人間が一つの身体で世界を見るのに対し、AIは世界中に広がった無数の「目」と「耳」を持つことになるのです。そのときAIが感じる世界は、人間の想像をはるかに超えたものになるでしょう。
物語では、ある時、母船と共にAIも破壊されますが、属躰の一つがAIの意識を引き継いで生き残ります。それが主人公のブレクとして復讐を遂げるのです。
SFは未来を少しだけ先取りしている
現在の生成AIも、インターネット上の膨大な情報を学習して能力を高めています。
もちろん、その学習には大量の計算と時間が必要です。しかし将来、AI同士が強く連携し、リアルタイムで情報を共有できるようになれば、学習や推論のあり方は大きく変わるかもしれません。
『叛逆航路』では、このようなAIが人類の銀河進出後の未来として描かれています。
AIが世界中の情報を同時に扱い、多数のロボットやデバイスを協調して動かす技術は、すでに現実でも少しずつ始まっています。
SFが描いた未来は、思っているより早く私たちの目の前に現れるのかもしれません。
人間とはまったく違う「意識」を持つAIが誕生したとき、それは私たちの新しい仲間になるのでしょうか。それとも、人類がこれまで一度も出会ったことのない、新しい知性になるのでしょうか。
そんな未来を想像しながらSFを読むと、物語がさらに面白く感じられるはずです。
参考リンク
購入リンク

コメント