AIにも「子供」は作れるのか?
こんばんは。ブロガーNです。
もしAIが、自分のコピーを作り、そのコピーが少しずつ姿を変えながら世代を重ねていったら・・
それは単なる「ソフトウェアの複製」でしょうか?
それとも、私たちはそれをいつか「AIの子供」と呼ぶようになるのでしょうか。
今回は、大人気のマーダーボットシリーズ『ネットワーク・エフェクト』から、AIの子供について考えてみます。

SFの中で生まれた「AIの子供」
物語の中で、警備ユニット「弊機」は敵を倒すため、自分自身のコードをコピーして敵のシステムに侵入する作戦を立てます。
そして友人のAI「ART」に協力を頼み、自分のコピーをキラーウェアへと作り変えるのです。
それを聞いたメンサー博士の娘アメナは、「AI同士が協力してAIのコピーを作る」のだから、「それは君たちの子供だよね」と言います。
それに対して弊機は、「単なるソフトウェアのコードのコピーなので、人間の子供とは違います!」と強く否定します。
ところがアメナは、人間の子供だってDNAという「情報」を受け継いで生まれるのだから、同じようなものではないか、と考えるのです。
では、本当にAIと生物はまったく違うのでしょうか?
生命を進化させた「3つの仕組み」
生物はDNAという情報を子孫へ受け継ぎます。
ただし、DNAは毎回まったく同じ状態でコピーされるわけではありません。突然変異や遺伝子の組み合わせによって、子孫にはさまざまな違いが生まれます。
その中で、ある環境で生存や繁殖に有利な特徴を持つ個体は、その特徴に関係する遺伝情報を次の世代へ残しやすくなります。
このような仕組みが「自然選択」です。
重要なのは、
複製 → 変異 → 選択
というプロセスが、何世代にもわたって繰り返されることです。
偶然に生まれた変化の中から、その環境で有利なものが残り、それが次の世代へ受け継がれる。
この「選択と遺伝の積み重ね」によって、生物は長い時間をかけて驚くほど複雑な姿へ進化してきました。
では、この仕組みをDNAではなく、コンピューター上の「情報」で行ったらどうなるでしょうか?
コンピューターの中でも進化は起こせる
20世紀の数学者ジョン・フォン・ノイマンは、「機械は自分自身を複製できるのか」という問題を理論的に研究しました。彼が考えたものの一つが、格子状の空間で単純なルールに従って状態が変化していく「セル・オートマトン」です。
その後、進化の仕組みを計算に利用する「遺伝的アルゴリズム」や、コンピューター上で生命のような振る舞いを研究する「人工生命(Artificial Life)」へと研究は広がっていきました。
つまり、コンピューターの中でも、
複製し、少し変化し、環境に適したものを残す
というサイクルを繰り返すことは可能なのです。
もし将来、AIが自分のコードを複製し、複製されたAIにさまざまな変化が生まれ、その中から環境に適したAIが残ってさらに次世代を作るようになったら・・
それは「AIの進化」と呼べる現象に近づいていくかもしれません。

それでも、生物とは大きく違う
もちろん、現在のAIが生物のように勝手に子孫を作り、自然界で進化しているわけではありません。
AIの学習や改良の多くは、人間が設計したコンピューター、学習方法、評価基準、データ、電力などに依存しています。そして、コンピューター上で「複製・変異・選択」が起こることと、それを「生命」と呼べることも別問題です。
生命とは何か。
実はこの問いそのものが、まだ科学的・哲学的に簡単には答えられないテーマなのです。
宇宙で出会う生命は「機械」かもしれない
ここから先は、さらにSF的な想像です。
もし生命の進化にとって重要なのが、材料そのものではなく、「情報が複製され、変化し、選択される」という仕組みだとしたらどうでしょう。
地球上の生物では、その情報を担っているのがDNAでした。
しかし、進化の仕組みに必ずDNAを使わなければならないとは限りません。
遠い未来、人類あるいは別の文明が作ったAIが、自ら複製し、変化し、何千、何万世代もの「選択」を経験したらどうなるでしょうか。
最初は誰かが作った人工物だったものが、長い時間の中で、作った文明さえ想像しなかった存在へ変わっていくかもしれません。
そしていつか人類が宇宙で未知の知的存在に出会ったとき、それはDNAを持つ生物ではなく、はるか昔、どこかの文明が生み出した「AIの子供たち」なのかもしれません。
遠い宇宙に、もしかしてAIだけの星があるかもしれないと想像すると、なんだかSF的でワクワクしますね。
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