こんにちは。ブロガーNです。
SF小説を読んでみたいけど、なかなかきっかけがつかめないと思う人は多いと思います。そこで、このブログではSFを読む事で拡がるテクノロジーの世界について解説していきます。これを読めば、きっとSF小説を読む楽しさが倍増しますよ。
今回は、アーサーCクラークの名作「地球幼年期の終わり」から、太陽系外惑星の話です。
「地球幼年期の終わり」では、突然現れた異星人の強い要求によって、世界各国の指導者は他国との戦争が出来なくなります。ある国が核ミサイルで宇宙船を攻撃しますが、全く効果がありません。核兵器は異星人の力で無力化されてしまいます。
そして、異星人の強制力によって世界から戦争がなくなり、平和な時代が訪れるのです。
そこには「戦争の無い世界」を実現する方法のヒントがあるのかも知れないと思います。
もし、異星人の攻撃や大きな隕石のような外圧や危機があれば、戦争どころではなくなって、世界はひとつになると思います。しかし、それはいつ来るかわからないので、待ってる間に核戦争で人類は滅亡する可能性の方が高くなりそうです。
そこで、地球幼年期の終わりに登場する異星人のような、はるかに高い文明でなくても、もしある程度の文明を持つ異星人との交流があれば世界は異星人の方に気を取られて、人類同士の戦争のリスクは下がるのではと思います。
人類は、すでに2022年時点で5,005個の太陽系外惑星を見つけています。NASAが打ち上げたケプラー望遠鏡(2009年打ち上げ)、TESS望遠鏡(2018年打ち上げ)が次々に惑星を発見していて、その中には地球に似ている惑星も含まれています。
そのような太陽系外惑星からの電波を捉えて文明の可能性が見つかると、世界はどう変わるでしょうか。
他の星に文明が存在する可能性が高まると、人類は、地球市民としての意識を持ち始める可能性があります。特に、若い世代は国境を越えたグローバル意識に抵抗感が少なく、地球市民としての連帯感を強めて行く事が期待されます。
よって、太陽系外惑星の探査を積極的に進めて、少しでも文明を持つ星の可能性が高まる事が、地球上から戦争を無くしていく一歩になる気がします。
「地球幼年期の終わり」のクライマックスでは、世界中の子供の世代が意識共同体となって、宇宙へ旅立ちます。意識共同体とは、人間同士の意識が直接つながる状態と考えられます。ここにも、世界の戦争のリスクを下げるヒントがあるように思えます。
急速に進歩する人工知能(AI)は、生成AIの実用化によって新たな段階を迎えました。この流れが続くと、次は汎用人工知能(AGI)が現れる可能性があると言われています。
AGI(Artificial General Intelligence)は、人工汎用知能の略で、人間のような知能を持つ人工知能を指します。AGIは、さまざまなタスクに対して人間と同様の知識や能力を持ち、独自の学習や問題解決ができる能力を持っています。
人類をはるかに凌ぐ高い能力のAGIが、世界中の人々が言葉や文化や歴史の壁を越えて直接つながり、人間同士の共感を育てる方法を教えてくれる可能性があるのではと思います。
世界の人々が直接つながる事によって、各国の政治やメディアによるバイアスが軽減され、人々は、異なる文化や背景を正しく理解・尊重し、他国の視点を理解しやすくなります。
これにより対立や誤解が減少し、徐々に紛争や戦争のリスクが下がると言うのは楽観的すぎるでしょうか?
一方で、AGIの登場によって、戦争自体が大きく変わってしまい、さらに大きな悲劇が起きる可能性も指摘されています。その時は、SFにしばしば登場するような「人類対ロボット(AGI)」のような構図や、一部の国がAGIを利用した兵器を独占して他国を支配するような、暗い未来の可能性も否定できません。
おわりに
残念ながら現在のメディアは、ポピュリズムやナショナリズムを煽り、それによってアクセス数を稼ぐ流れになっています。その結果、グローバル意識とは逆の内向きの意識がひろがり、国際協力に対する懐疑的な態度が広がることにつながっています。
このままでは、世代が変わっても紛争や戦争の無い世界に近づくことが難しいと感じます。
参考リンク
Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS)
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