こんにちは。ブロガーNです。
今回は、カート・ヴォネガット・ジュニアの「タイタンの妖女」から、量子もつれの話です
この小説に登場するロボットは、故郷の小マゼラン星雲から宇宙船を修理するための部品が届くのを、20万年もの間待っていました。小マゼラン星雲の宇宙人はすでに滅びていましたが、かつて宇宙人が作ったロボットたちが活動を続けていたのです。

小マゼラン星雲は、太陽系から20万光年も離れていますので、普通に光で通信しても地球まで片道20万年かかります。
これほど離れた場所にいる人類に影響を与える方法があるでしょうか。
実際に宇宙の端と端に離れた2つの粒子が、一瞬でお互いに影響し合うとしたら。。
光より速く情報は伝わらないはずなのに、そんなことが本当に起きているのです。。
SF作品には、たとえば「どこにいても一瞬でつながる通信装置」や「離れた仲間と完全に同期する装置」が登場します。こうした設定は一見ファンタジーに見えますが、実はそのヒントになる現象が現実の物理学に存在します。
それが「量子もつれ」です。
量子もつれとは、2つの粒子が特別な関係で結びついている状態のことです。
この状態になると、どれだけ離れていても、片方の状態を観測すると、もう片方の状態も同時に決まります。
たとえば、こんなイメージです。
- 2つの粒子は「セット」で存在している
- 片方が「上向き」と分かった瞬間
- もう片方は必ず「下向き」になる
しかもこの関係は、どれだけ遠く離れても崩れません。
地球と宇宙の彼方でも同じです。
実際、量子もつれでは
「粒子の状態は単独では決まらず、全体として一つの状態になる」
という性質があります。
さらに、2つの粒子は離れていても強く関連したままであり、
一方の変化がもう一方に影響するように見えるのです。

ここで注意が必要です。
「じゃあ光より速く通信できるの?」・・実はできません。
量子もつれは確かに不思議ですが、
それを使って情報を送ることはできないとされています。
つまり、
- 瞬時に“状態の関係”は決まる
- でも“メッセージ”は送れない
この点が、SFとの大きな違いです。
アインシュタインはこの現象を「気味の悪い遠隔作用(spooky action)」
と呼んで疑っていました。
しかし現在では、実験によって量子もつれの存在が確認されています。
そして量子もつれは、すでに未来技術のカギになっているのです。
例えば
- 量子コンピュータ→ 圧倒的な計算能力
- 量子通信→ 盗聴できない超安全な通信
- 量子テレポーテーション(情報転送)→ 情報を瞬時に転送する技術
実際に、人工衛星を使った量子通信の実験も成功しています。
量子もつれは、
「宇宙は私たちが思っているよりずっと深くつながっている」
ことを示しています。
SFの世界のような話が、
すでに現実の科学の中で始まっている――
そう考えると、ちょっとワクワクしませんか?
参考リンク
What Is the Spooky Science of Quantum Entanglement?(NASA Science)
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