こんばんは。ブロガーNです。
もし宇宙で最初に出会う地球外生命が、「宇宙人」ではなかったらどうでしょうか?
人類はこれまで、地球以外の生命を確認していません。しかし、もし最初に発見されるとすれば、人間のような知的生命体ではなく、微生物のような小さな生命かもしれません。
SF映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』には、「アストロファージ」と呼ばれる未知の微生物が登場します。
では、もし宇宙で発見した生命が、人間だけでなく機械やコンピューターにまで影響を与える存在だったら?
今回は、マーサ・ウェルズのSF小説『ネットワーク・エフェクト』に登場する「異星遺物」から、生命と機械が融合する未来について考えてみます。

宇宙船を乗っ取る「異星遺物」
物語の主人公は、人間を警護するために作られた警備ユニット、通称「弊機」です。
弊機と関係の深い大型宇宙船ペリヘリオン号は、ある事件に巻き込まれます。
その原因となるのが、放棄された植民惑星に存在していた「異星遺物」です。
異星遺物は、藻のような有機物として宇宙船のエンジンに貼り付きます。しかし、ただ付着しているだけではありません。そこから伸びた神経組織のようなものが機械と結合し、宇宙船のシステムにまで入り込んでいるのです。
つまり、生命体がコンピューターと直接つながり、宇宙船を制御しているのです。
さらに恐ろしいことに、異星遺物は感染した人間を利用して宇宙港のシステムを支配し、そこから宇宙船やロボットへ攻撃を仕掛けます。
有機物とコンピューターの境界が、ほとんどなくなっている世界です。
人間も「考えるだけ」で機械を動かせる?
これは完全なSFのように思えます。
しかし、現実の技術も少しずつこの世界に近づいています。
私たちは普通、キーボードやマウス、タッチパネルを使ってコンピューターを操作します。最近では、AIに話しかけるだけで文章を書いたり、情報を検索したりすることもできるようになりました。
そのさらに先にあるのが、BMI(Brain Machine Interface:ブレイン・マシン・インターフェース)です。これは脳の活動を読み取り、その信号をコンピューターへの命令に変換する技術です。
たとえば、体を自由に動かすことが難しい人が「カーソルを右へ動かしたい」と考えたとします。そのときの脳活動を読み取り、コンピューターが意図を推定できれば、手を使わずにカーソルを動かせる可能性があります。
研究はすでに進んでおり、医療分野を中心に、コンピューター操作や意思伝達などへの応用が試みられています。
もちろん現在の技術は、『ネットワーク・エフェクト』の異星遺物のように、脳から自由自在に機械を操れる段階ではありません。それでも、「有機物である脳とコンピューターを直接つなぐ」という考え方は、すでにSFだけのものではないのです。

そこにAIが加わったら?
さらに興味深いのが、BCIとAIの組み合わせです。
現在の生成AIは、文章だけでなくプログラムコードも作ることができます。
将来、脳とコンピューターを結ぶ技術がさらに進歩すれば、
「人間が考える」
「脳の信号をコンピューターが読み取る」
「AIがその意図を理解する」
「AIが必要なプログラムを書いて実行する」
という流れが生まれるかもしれません。
つまり人間は「こうしたい」と考えるだけで、AIに仕事をさせるようになる可能性があります。
「人間」の範囲はどこまで広がるのか
ここから先は、さらにSF的な話です。
もし脳とAI、コンピューターが常時接続されるようになったら、どこまでが「自分」なのでしょうか。
脳だけが自分なのか。体まで含めて自分なのか。
それとも、自分の記憶を保存するコンピューターや、自分の代わりに判断するAIまで含めて「自分」なのでしょうか。
さらに遠い未来、人間の記憶や思考のパターンを機械の中に保存できるようになったとしたら、人間は生物としての体から離れ、ネットワークを通じて現実世界のロボットや機械を動かす存在になるかもしれません。
もちろん、これは現在の科学では実現していないSFの世界です。
しかし、脳とコンピューターを接続する技術とAIが同時に進歩していることを考えると、「人間と機械の境界」という問いは、少しずつ現実の問題になり始めています。
『ネットワーク・エフェクト』の異星遺物が不気味なのは、単なる未知の宇宙生命だからではありません。生命が機械とつながり、その境界が消えていく存在だからこそ、私たちはそこに奇妙な怖さを感じるのではないでしょうか。
そして、異星遺物の姿はもしかすると、遠い未来の「人類」に似ているのかもしれません。
参考リンク
購入リンク


コメント